2020年9月21日月曜日

9月19日宇都宮健児さん 大いに語る

 宇都宮健児さんが講演(東久留米) 

「コロナ禍の中で考える」

人権、貧困、教育、新自由主義  

9月19日、「宇都宮健児さん大いに語る」と題して講演会が開かれました。主催は東久留米9条の会。宇都宮さんは、「コロナ禍の中で考える」と題して、コロナ感染症の医療体制の充実、補償の徹底など述べた後、「人権」について、「貧困」について、「新自由主義」について、「教育」について詳しくのべ、質疑にも答えました。以下はその動画です。






2020年7月22日水曜日

都知事選、質的に発展した市民と野党の共闘

25区 西多摩・昭島
     東京25区市民選対責任者 山下 千尋
小選挙区ごとに市民選対を作ろうという動きが出る中、東京25区(=青梅市・昭島市・福生市・羽村市・あきる野市・瑞穂町・日の出町・檜原村・奥多摩町)でも613日【都政を変えよう!西多摩・昭島市民の声】を立ち上げました。
【東京25区市民連合連絡会】が呼びかけた結果、立憲・共産・社民が初めて同じテーブルにつくという画期的事実が生まれました。私たちは昨年5月より各政党との懇談を重ね親睦を深めて来たものの、政党間の繋がりはまだまだだった為、立ちはだかっていた壁が一気に取り払われたかのようでした。
ポスターやビラの配分といった実務的共同は勿論のこと、各所で行われた駅頭街宣にも3+無所属市議が揃って演説を行うなど共闘は大きく前進し、日を追うごとに共闘の本気度がハッキリと見えてきました。何度もお願いし実現した72日羽村駅での演説集会には350人の観衆が集まり、宇都宮さんや3党の応援弁士、市民の訴えに熱心に耳を傾けていました。宇都宮さんからは、横田基地返還や沖縄とともに地位協定を見直す等一歩踏み込んだ話があり、拍手が沸きおこりました。
打倒アベ!も見据えまずは都政チェンジと本気で向き合いました。残念な結果となってしまいましたが、私たちは今回の選挙で培われた市民と野党共闘を《財産》と考え、次期総選挙に向けこの関係を存続させることにしました。都知事選の総括を行った際、今後は膝を突き合わせて話をしよう!東京25区の政策についても確固たるものを一緒に練り上げていこう!市民への「共闘見える可」を図るため、定期的に揃って街宣を行なっていこうと決めました。今回自主投票となった国民や生活者ネットも、過去の懇談では共闘に前向きです。れいわ支持者やアベ政治を許さない多くの人々に呼びかけ共闘の輪を広げていこうと話し合いました。市民連合も未だ市民権を得るに至っていません。課題は山積ですが、東京25区は新たな体制で走り出しました。  


都知事選、質的に発展した市民と野党の共闘

11区 板橋
チェンジ国政!板橋の会共同代表 荒川孝治 

 チェンジ国政!板橋の会は、都知事選での宇都宮けんじさんの応援を決定し、宇都宮選対と連絡をとりながら、立憲民主党、日本共産党、社民党、新社会党と連携を強めて都知事選挙戦をたたかいました。
法定ビラの配布、公示日ポスター貼り出し、選挙ハガキ、政策ポスターの張り出し、選挙カーや政策カーによる街頭宣伝等を実行しました。特に街頭宣伝は、チェンジ国政!板橋の会の各ブロックが力を発揮し、板橋区内の駅頭や団地、商店街等あちこちで宣伝行動が行われ、各政党の参加もあり、「市民と野党の共闘」シーンが展開されたことで、参加者を励ましました。 
年前の鳥越選挙の時は、当時の民進党と共産党の区議が並ぶことすらできなかったことを思うと隔世の感があります。チェンジ国政!板橋の会と政党間の距離も実践を通じて縮まった、と思います。
選挙結果を受けての事務局会議では、得票数をみると喜べないが市民と野党の共闘が進んだことで、次の総選挙につながるとの声があがりました。
次は総選挙です。相手は下村博文氏です。自民党の選対委員長で、安倍晋三首相の片腕といわれ、小選挙区で落選したことのない強者です。今回の都知事選結果を見ても勝ち目はない、と思いがちですがそんなことはありません。自公による安倍政治は完全に行き詰っています。市民と野党の共闘を強め、統一候補をできるだけ早く擁立することです。都知事選では自主投票に回った国民民主党も統一候補擁立に賛成です。立憲野党の共闘の周辺に、保守層や無党派層をどれだけ結集できるかが大きなポイントになります。政策的にも、多くの有権者を引き付ける政策を練り上げることが必要になります。
解散総選挙がささやかれ始め時間はあまりないかもしれませが、各政党との腹を割った協議を重ね、一歩一歩前進して結実させたいです。今回都知事選では、都内25の衆院選挙区で「市民と野党」の共闘が実現しました。これを全国に広げ大きなうねりのなかで衆院選をたたかいましょう。

都知事選、質的に発展した市民と野党の共闘

7区 中野
      中野革新懇事務局長 江田 徹
6月21日、中野駅北口で宇都宮けんじ候補の演説会が行われ、立憲民主党の長妻昭代表代行、共産党の小池晃書記局長、社民党の福島瑞穂党首、無所属の小川淳也衆議院議員が並んだ。司会者が「蜜を避けて」と何度も呼びかけたが、聴衆はどんどん増えて密は避けようもなかった。
もっとも嬉しかったのは、長妻さんと小池さん、福島さんが「自己責任」と新自由主義を批判し、この政治と社会のあり方を変えようと訴えたこと、3党の底流が一致したことだった。政策をさらに発展させ、政治変える大きな力になることを確信した。
中野では2015年に「安保法制の廃止を目指す中野アピール実行委員会」を立ち上げ、政党も参加して毎月2回中野駅で宣伝行動を継続してきた。これにより、その時々
の課題に即応できるようになり、衆院選でも区長選でも勝利できるようになった。
5月19日、「コロナ」で自粛していた「中野アピール」の宣伝行動を再開した。その場で都知事選をたたかう市民組織の立ち上げを相談し、6月6日「都政を変えよう!中野の会」を発足させた。さらに、16日には中野と渋谷を結ぶ「しぶなか市民連」を立ち上げ、立憲民主党の西澤けいた都議、日本共産党の谷川智行都委員会副委員長が決意を述べた。
「中野の会」は独自に10類のプラスターをつくり、のぼりを立てて、各駅頭でスタンディングとビラ配りを中心に活動したが、これには毎回立憲・共産両党の都議・区議や地区委員長が参加し、30を超える人々でにぎやかに宣伝した。これらの活動を通じて市民と政党の共闘があたりまえの活動として定着してきた。ネットで配信している「中野の会ニュース」は、選挙後も含めて№24に達した。
開票2日後の14日に開いた会議で、宇都宮さんの生き方や考え方をもっと知りたいという要望に応え、8月1日午後2時から「うつけんzoomトークライブ」を開くことが決まった。宇都宮さんを知らない若い人たちにぜひ見てもらいたい。

都知事選、質的に発展した市民と野党の共闘

4区大田区 
        大田革新懇事務局長 野本春吉

  昨年、市民と野党の共闘で大田区長選挙をたたかった経験、教訓を生かし、都知事選・都議補選を市民と野党の共闘でたたかうことを、南部1000人委員会と大田革新懇が、政党・会派と市民団体、個人に呼びかけ、「大田区民の声を都政に届ける会」(選対本部)を結成し選挙をたたかいました。
 「会」の目的は、市民と野党が団結して心を一つにし、①都知事選の統一を願い、統一候補の勝利めざしてたたかうこと、②都議補選・立憲民主党公認候補を統一候補として勝利めざしてたたかうこと。
 この「会」には、立憲民主党、共産党、社民党、新社会党、フェアな民主主義と市民団体、個人が参加しました。
 「会」は、都議補選の政策づくりを進め、政党・会派と市民団体、個人が参加し、みんなで短時間で練り上げつくることが出来ました。この政策を立憲民主党の号外で区民に訴えました。
 「会」は選対会議を開き、選挙方針を確立し、政党・会派と市民団体が共同して宣伝戦、組織戦にのぞみました。告示前の事前宣伝では、宇都宮けんじビラ5万枚、松木かりんビラ28万枚の配布を分担して行いました。公営掲示板577カ所も政党・会派と市民団体が分担しはりだすことが出来ました。宣伝カーによる宣伝も、告示前は6台を毎日運行、本番は、立憲民主党が候補者カー、日本共産党と市民団体が政連カー(立憲民主党の都本部の名前の宣伝カー)で区民に「知事はけんじ」「都議はかりん」の支援を訴えました。街頭宣伝では、宇都宮けんじ・松木かりんの合同演説を1000人を上回り大きな成功をさせることが出来ました。
 このように、今度の2つの選挙は、市民と野党の本気の共闘を、心を一つしてたたかい、残念な結果ですが、大きな財産を生みました。更に前進させるために、革新懇の拡大強化、質的前進が今日の情勢が求められていることを感じました。

2020年6月2日火曜日

小池都政の教育はどうであったか
石原都政の継承と人材育成への傾斜
    東京革新懇代表世話人・都教組元委員長 工藤 芳弘

「教育目標から憲法・教育基本法を削除した東京
小池都政が誕生して4年になります。「都民が決める。都民と進める」と公約した小池都知事は、東京の教育をどのように推し進めてきたのでしょうか。東京の教育の実態とともにそれを検証してみたいと思います。
2001年、石原知事が都教委の「基本方針」から「日本国憲法及び教育基本法の精神に基づき」の文言を削除。そして、「教育目標」の前文に「わが国の歴史や文化を尊重し国際社会に生きる日本人の育成」を付け加えました。教育基本法改悪で示された、「愛国心」教育の押し付けや教育への行政が全面的に介入するという方向を、東京都は国に先駆けて行ったのです。小池知事もこれを引き継ぎ、学校現場への「日の丸・君が代」の強制、特定教科書の押しつけ、性教育への弾圧など、権力による教育内容への介入、管理統制を強めてきました。

東京の教育施策は学校を疲弊させている
東京都は、指導力不足教員制度や業績評価に基づいた「人事考課制度」を全国に先駆けて実施。さらには職の分化だとして主幹制度・主任制度を導入。教員を校長、副校長、主幹教諭(指導教諭)、主任教諭、教諭という職階制をつくりました。これによって、教職員の協力・共同の教育から上意下達による教育が行われるようになりました。子どもにとってはみな同じ先生なのに、小池知事は、これらの政策を踏襲しています。
職員室は、子どもを語らう場から命令伝達の場となり、教職員の同僚性は失われつつあります。それに追い打ちをかける悉皆の「学力テスト」が、競争と管理の教育をさらに強めてきました。このような東京の教育現場で、教職員メンタルヘルスの問題が深刻化しています。
教員採用に目を向けると、今年度の小学校教員採用選考名簿登載者は、1614人で2・1倍。このほかに1年間の期限付任用教員881人が名簿登載されており、これを含めると実質倍率は1・3倍という低倍率となりました。東京で教員になることに魅力がないということを、この倍率が如実に語っています。東京都の教育施策が、その根本にあることは明らかです。

東京の教育条件整備は
 教育条件整備に関していえば、少人数学級実施という課題があります。東京では、小学校1・2年生と中学校1年生で35人学級を行っていますが、これは全国で最低規模の実施です。小池知事は、「グローバル拠点都市は東京」などと言っていますが、欧米では30人以下が当たり前。グローバルを言うのならこの課題解決することがグローバルです。コロナ感染対応対策の観点からも、少人数学級の実施は喫緊の課題といえます
 また、特別支援学校での教室不足の問題も解決されていません。現在も800以上の教室が足りず、カーテンで1つの教室を間仕切りして2つの教室として使用するなどの事態が放置されたままです。
 私立高校の授業料の補助の所得制限は910万以下までに緩和されましたが、約5割の生徒が依然対象外となっています。

「東京都教育ビジョン」東京の教育はどうなるのか                          
東京都は、ICTやAIなどを駆使するとした国のSociety50に追随した「東京都教育ビジョン(第4次)」を発表し、そのための人材教育に積極的です。都立高校の再編計画や小中高一貫校などで、ICT活用した教育が具体化されています。しかし、Society50の大本には、新たな成長産業による巨大市場が企まれています。公教育がそこに組み込まれれば、公教育への企業参入、教育の市場化がさらに進み、その結果、学力の格差がさらに広がる懸念があります。
東京の教育がどうなっていくのか。「人格の完成」をめざす教育なのか、「人材育成」の教育なのか、今後の最重要テーマとなります。