2012年10月5日金曜日

 都民の望まない
 2020オリンピックの招致に反対する
         招致は再開発推進の口実
             自由法曹団東京支部事務局長 横山聡
                (コペンハーゲンで訴える横山さんたち)
都知事、性懲りもなく・・・
2016年にオリンピックを招致しようとした石原都知事の野望は、2009年コペンハーゲンでのIOC総会で阻止されました。この時、団東京支部は、新日本スポーツ連盟とともに、コペンハーゲンまで出かけて反対運動を展開し、その一助になったと自負しています。
しかし、石原都知事は、性懲りもなく2020年のオリンピックに立候補し、招致活動を開始しました。2011年の東日本大震災と、福島第一原発事故がまだ収束もしないうちから、4000億円もの基金を復興に支出することなく、2020年のオリンピックに立候補しました。
オリンピックの素晴らしさ
 今年はオリンピックイヤーであり、ロンドンオリンピック観戦で徹夜をされた方も多いのではないかと思います。私もいくつもの競技を観戦して、感動したこともありました。スポーツの持つ力は素晴らしいものがあると思います。近代オリンピックの開祖ともいえるクーベルタンのオリンピズム、すなわち「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神を持って理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」との精神の開花を見せていただいたと思います。
なぜ反対するのか
しかし、私たちは、石原都知事の2020年オリンピック招致には反対です。なぜなら、招致の根本に「イベントとしてのスポーツ」と「再開発」の意図が透けて見えるからです。石原都知事は、ことあるごとに「オリンピックをやれば金が儲かるんだから」といいオリンピックを金儲けの手段としか考えていません。また、自らが掲げる新しい都市計画「2020年の東京」の実現と合致すると述べて、オリンピックを再開発推進の口実にしています。
そもそも、石原都知事になってから、スポーツ関連予算は削減の一途を辿り、新施設の建設や旧施設の改修が適切に行われていないのが実態で、そのような環境でどうしてスポーツの振興が図れるでしょうか。真面目にスポーツを通じて肉体と精神を鍛錬し、仲間との交流を図る努力を支えることなしに、イベント的にスポーツを楽しみ、ナショナリズムを高揚させるだけの扱いでオリンピックを招致するのは、オリンピズムに反し、オリンピックを冒涜するものです。
また、パラリンピックについては、障害者用スポーツ施設は王子と多摩の2箇所にしかありません。多くの都民がスポーツを楽しめるようになってこそ、オリンピックを東京に迎えるにふさわしい機運が生まれるのではないでしょうか。都知事の「押し付け」オリンピック招致は断固阻止します。よろしくご協力お願いします。                
【自由法曹団東京支部】
 自由法曹団東京支部は、1973年1月に設立され、今年40周年を迎えました。自由と民主主義を守るためにたたかってきた弁護士の集団で、東京支部では現在約460名の団員を組織しています。これまでも、青少年保護育成条例の改悪、拡声器規制条例の実質無効化などに取り組んできており、2012年は、陸上自衛隊のレンジャー行軍訓練に対して反対の声を上げ、監視活動を行うなど、都民の生活の平穏を守り、平和で民主的な社会をつくるために弛まず活動を続けている団体です。