2024年12月12日木曜日

横田基地はどうなっている?

 横田基地は今どうなっているか    

横田基地の撤去を求める西多摩の会事務局長 寉田一忠

   

はじめに

 非人道的な「2つの戦争」を、一刻でも早く止めさせたいと願う世界の平和を願う世論は、米国のトランプ再登場で、先行きへの不透明感を強め、困難に直面しています。

この戦争の背景には、不安定化する自国の覇権を維持強化したい米国の思惑が強く働いていると言われています。加えて、台湾を巡る米国と中国との緊張関係は、一層の困難を生み出しているかのようです。

こうした時、日本は、全国の自衛隊基地の強靭化を進めるとともに、先の「2プラス2」で、横田基地の在日米軍司令部を、戦争を指揮統制する強力な戦争司令部へと進化させることに合意しました。東アジアにおける米国の軍事拠点である日本は、一歩間違えば、沖縄をはじめとして、全国を戦場としかねない危険な道にふみこんだのです。

こうした中、横田基地では12月に入って米インド太平洋宇宙軍が、基地内に在日米宇宙軍を発足させ、基地機能強化が更に進められました。日米同盟強化を米国言いなりに進めることは、米国の覇権争いに深く組み込まれていく極めて危険な道です。 

止めどなく進む横田基地の機能強化

.C17などの大型輸送機の飛来が頻繁になり、大型輸送機用の駐機場建設がなされています。C130Jの配備増やC17の常駐化も計画されています。

.また、超高空を飛行し、中国大陸の奥まで監視していると思われる、無人偵察機グローバルホークがグアムから持ち込まれ、ほぼ常駐化しています。

.航空機燃料を大量に貯蔵する地下のタンクの増設、その配給施設や燃料運搬用引き込み線の改修・新設がすすみました。

.同時に、海兵隊岩国基地から、また太平洋を越えて米本土の基地から、KC135やKC10などの大型空中給油機の頻繁な飛来とその訓練が激しく繰り返されています。

.ミサイルなどの攻撃を受け、破壊された滑走路を直ちに修復する訓練と、滑走路損傷修復用の装備品・機材などの大型備蓄施設の建設も進みました。

.横田基地を使った米軍と自衛隊の共同作戦・訓練があたりまえのようになされています。

.更に、CV2210機配備のための受け入れ工事、自衛隊用の火薬庫(弾薬庫)の工事も進んでいます。 

巨大な52H戦略爆撃機30年ぶりに飛来

そこに、核攻撃用の戦略爆撃機が、日米安保に基づく「事前協議」もなく、米軍の一方的な都合で飛来するという重大事態が引きおこされました。最近では24年の4月2日、B52H戦略爆撃機が1機、23年7月に続いて突然飛来しました。

4月2日、飛来に気づいた周辺住民が、地元自治体に、北関東防衛局から情報が入っているか問い合わせましたが、全く入っていませんし、基地内に駐機している事実は「部外秘」扱いになっていることが分かりました。

冷戦期は当たり前のように飛来していた戦略爆撃機でしたが、ここ30年間は全く途絶えていたことがいきなり始まったのはなぜか。決してたまたまなどではありません。北朝鮮への威嚇が繰り返される中で、起きた「事件」だったのです。 

欠陥機CV22オスプレイは直ちに撤去すべき

231129日の屋久島沖炎上墜落事故発生から8ヶ月、247月、やっと出された米空軍の墜落事故調査報告書でも根本原因は不明のままです。

にもかかわらず、7月から、横田基地周辺の住宅地上空で訓練が再び繰り返されています。    

世界を見まわして米軍の軍用機が人口密集地上空で、超低空を飛び回り、急旋回や編隊飛行を繰り返している国があるでしょうか。横田基地の訓練の実態は異常極まりないものです。

CV22オスプレイは、2018年4月にいきなり5機持ち込まれ、10月に正式配備されてから悲惨な墜落事故を起こした231129日まで、わずかな期間に緊急着陸・部品落下事故などを頻繁に繰り返しながら、超低空飛行、急旋回飛行などを繰り返し、夜間は基地に戻ってホバリング飛行を行い、地域住民に大きな不安と騒音被害を与え続けています。 

繰り返されるパラシュート降下訓練

2012年1月、突然始まった横田基地での輸送機C130Jを使ったパラシュート降下訓練は、沖縄県民・北谷町民の20数年に及ぶ長期のパラシュート降下訓練反対のたたかいによって、町長が引き受けた伊江島を例外として、県外に追い出されたものでした。

CV22オスプレイ横田配備も同じで、米軍の予定では、2013年から14年に特殊作戦部隊がもともと配置されていた嘉手納基地に配備予定だったものが、普天間基地へのMV22オスプレイ配備反対のオール沖縄の大闘争と、その力で沖縄の全自治体を巻き込んで作られた「建白書」の威力で、嘉手納基地から横田基地配備へと変えられた結果でした。

沖縄県民のたたかいは、県民に襲いかかる危険を取り除く大きな力を発揮しているのです。

一方、なんの取り決めもないまま危険を押し付けられた横田基地では、パラシュート降下訓練は、自衛隊の訓練と一体化し、地元自治体の反対の声を無視し、当たり前のように続いています。  

横田基地を使い大規模な空中給油訓練

太平洋のかなたの本土から横田基地へやってくる大型空中給油機は何をしているのでしょうか。アメリカはアジアから見れば太平洋の遥か彼方の国。ヨーロッパからは大西洋の彼方の国。この国は、自国が戦火に見舞われない位置にあることをよく知っていて、20世紀の2度の世界大戦を経て、英国をぬいて、軍事的にも経済的にも世界最大の覇権国家となりました。

アメリカは、圧倒的な軍事大国として、海外軍事基地515カ所を維持し、45万人を派遣、常に軍事的優位をめざしています。特に、近年中国に対する圧力を強めています。

そのため西太平洋の上空は米軍の爆撃機が常時飛び回り、警戒しているのです。それら航空機への給油は、太平洋・東シナ海上空でなされており、沖縄が主な給油基地でしたが今は、横田基地にも大きな給油施設を造り、空中給油機を多数送り込んできて、守りを固めています。

猛スピードでなされる戦闘機への空中給油は、極めて危険ですから海上でなされますが、横田基地から飛び立った岩国基地所属のF35ステルス戦闘機への給油訓練が、甲府市上空でなされていることが山梨県民の告発で明らかとなり大問題になりました。 

 

日米同盟は日本を守るという大うそ 

米軍高官が、米国議会で予算を確保するために繰り返していることは、「日米安保」によって日本に配備されている米軍は、米国を守るためのものであって、日本を守るためのものではないということです。

だから米国政府は、日本政府に自衛隊を強化するために軍事予算を大幅にふやせというのです。だとしたら、戦争の危険しか作り出さない米軍の施設・基地は日本にはいらないではありませんか。今こそ米国言いなりの軍事同盟=日米安保条約から脱却し、ASEANから学び、グローバルサウスと共同し、非同盟中立の国へと新しい歩みを作り出すべきではありませんか。

長い間基地周辺にお住まいのみなさんの中には、「米軍がいるから安全だ」という思い込みがあるようです。しかし、現実は全く違います。米軍基地ほど危険なものはありません。

私たちの国・日本は、憲法で絶対に戦争しないことを世界に向かって宣言している国です。ですから、本来攻めてくる国などありません。

私たち国民が戦争反対の声をあげ続け、あくまでも憲法9条を守りぬく限り日本は安全なのです。逆に、戦争を呼び込む米軍基地など全く不要です。

1959年3月、新安保条約反対の大闘争の最中、立川基地拡張反対の大闘争、砂川裁判で下された東京地裁の伊達裁判長の歴史的な「安保条約違憲判決」を今こそ生かすときです。

今回触れられませんが、横田基地が汚染源であるPFAS問題も深刻です。

 

2024年9月2日月曜日

 「足立たすけあい村」5001000人参加とその成果 

足立区労連議長 大滝慶司さん

 毎回500人から1000人が参加し、6回を数えた「足立たすけあい村」について、大滝さんにレポートして頂きました。

 

「足立たすけあい村」

 

 20231230日(土)、「足立たすけあい村」が竹の塚第5公園で開催され、食料配布に500人を超える方が来場されました。開始予定の1時間前には行列ができ、予定を早めて配布を開始。約400㎏のお米や餅、カップ麺やレトルト食品、大根・白菜・人参などの野菜、バナナ、お菓子や飲料、生理用品や洗剤等の日用品、衣類などが用意され、来場者に配られました。高齢の方や、子ども連れの女性が多く、外国人の方や車椅子で来られた方もいました。

 食料を受け取った方からは、「物価高で生活が大変、食料品の配布は本当にありがたい」「久しぶりに野菜たっぷりの鍋ができる」などの声が寄せられました。

 なんでも相談コーナーには、解雇などの労働問題や生活保護などの相談が11件寄せられました。

 「足立たすけあい村」は、コロナ禍で困窮した人たちへの支援と相談を行おうと「市民連合あだち」が呼びかけ、労働組合や弁護士、医療関係者、ボランティア団体などでつくる実行員会が主催しているもので、20201230日千住旭町公園で第1回を開催し、昨年1230日の竹の塚第5公園まで6回にわたり開催を重ねてきました。毎回、食料支援には5001000人の来場者、なんでも相談には1020件の相談があります。当日の運営には約100名のボランティアが協力しています。

配布物資は、協力いただいている農園からの野菜等の提供や団体・個人からのカンパで準備。なんでも相談は各団体から弁護士、社会保険労務士、区議会議員(立憲民主党、共産党れいわ新選組など)、労働組合役員、看護師、社会福祉士などの協力を得て実施しています。 

 

取り組みを通じての成果

 

1.生活困窮の実態と政治の責任を可視化  

 コロナ禍以降、生活困窮が町場の中に広がっています。食料配布に5001000人が並ぶ光景はその象徴です。来場者や通行人からは毎回、「この光景が岸田さんに見えているのかしら」「これは本当は役所の仕事ですよね」という声が聞かれます。見えにくくなっている貧困の実態と政治の責任を可視化させています。

2.くらしの実態から要求の政策化


 実行委員会に参加する社保協、くらしと営業を守る足立連絡会、足立春闘共闘などは来場者の声やなんでも相談の内容をまとめ、物価高騰のもとでの区民支援策や医療・介護・営業支援などの具体的な政策として足立区への予算要望等に反映させています。

3.助け合いのネットワーク 

 取り組みを重ねる中で、物資提供・カンパに協力してくれる方が増え、これまでつながりのなかったボランティアグループ、物資提供してくれる農園や企業からの協力が広がっています。行政との関係でも、福祉事務所や住区センターなどでのポスター掲示、チラシの配布、福祉関係部署との連携など、「足立たすけあい村」を通じた地域の助け合いのネットワークが広がってきています。

4.市民連合あだち、政党への市民の信頼向上

 市民の方からは「市民連合はこんな活動もやっているんですね」「野党も一緒にやっているんですね」という声が聞かれ、「市民連合あだち」の認知度と信頼感アップにつながっています。また、政党や各団体との信頼関係が深まってきたことも大きな成果です。

 

政治の転換めざして

 

「足立たすけあい村」が生活困窮者への直接支援を根付かせ、相談先のない区民にその場を提供してきただけでなく、区民運動にも多くの貴重な経験を生んできました。引き続き、「足立たすけあい村」の取り組みを強め、生活の苦しさの根源はどこなのかを明らかにし、市民と野党の共闘を広げ、くらしを守る政治への転換をめざして奮闘していく決意です。

2024年7月23日火曜日

 若者憲法集会 全国350超実行委結成

民青同盟東京都委員長 新田裕也

630日、若者憲法集会2024が開催されました。実行委員会が昨年呼びかけ、全国でとりくんできた「敵基地攻撃能力保有・大軍拡に反対する青年の草の根ネットワーク運動」を更に前進させていく集会になりました。第一回若者憲法集会が2014年に開催されてからまる10年、現在は全国各地の地域・職場・学園に350以上の若者憲法集会実行委員会が結成されています。

有楽町朝日ホールで行われたメイン企画には800人が集まり、小森陽一さんを講師に、「日本国憲法を活かす政治を若者の力で」と題して、岸田政権の危険な対米従属の実態、岸田政権と対決する国民的運動の大切さを学びました。


各地からの率直な交流 

小森さんの講演後には各地の青年からの取り組み報告。「昨年夏から宣伝を約30回継続してきた。昨年よりも、敵基地攻撃能力保有・大軍拡について『ニュースを見た』『不安に感じている』と危機感を持つ青年が増えていると感じる。地元の青年たちにとって、地元で青年が行動している様子が見えて、なにかしたいと思ったらすぐ一緒に行動できる運動体があることは希望だと思う」(徳島・ひょうたん島)、「今年の6月友人に誘われて運動に参加し始めた。自分の身近に平和への思いを持つ青年が暮らしていると考えたことはなかったが、そうした青年に出会えると嬉しく、心強い気持ちになる。草の根でもっと多くの青年とつながりともにたたかっていきたい」(北海道・南郷7丁目北)、「昨年3月に友人と2人で実行委員会を立ち上げ、今は10人に増やしている。目標に向けて学習会などの企画開催や昼休み宣伝、許可をもらっての授業前宣伝などにとりくんできて、ほんの少しキャンパスの空気が変わった。こうした運動が全国各地に広がれば、全国の空気も変わっていくと思う」(首都圏の大学)といった発言がありました。

閉会あいさつでは、「若者憲法集会2025」の開催が発表され、「集会を力によりいっそう、各地域・職場・学園の運動をひと回りもふた回りも広げ、大きな高揚のなかで集会を迎えましょう」と呼びかけられました。 

デモに沢山の反応 


集会後のデモでは1200人の参加者で東京・銀座を行進。プラカードを掲げながら、サウンドカーから流れる軽快なリズムにのせて「物価高から生活守れ」「軍事費ではなく教育に回せ」「返さなくていい奨学金を」と声をあげると、手を振って応援してくれる方や、ガッツポーズをして連帯を示してくれる方などがたくさんいて、とても活気のあるデモになりました。

参加者からは、「戦時中は、このままだと日本ヤバいと思っていた人が絶対いたと思うけど止まらなかった。声を上げる人が周りにいないとヤバいことがどんどん進んでいく。そういう意味で運動が大事だと思った」「日頃、自分達の実行委員会で行動しているだけでは時に心細くなり、マイノリティ派として無視されるだけなのではないかと思うこともあるが、全国にこれだけ同じような願いを持った青年たちが存在し、また同じような熱量をもって活動されているのだと知れて、大いに励まされる気持ちになった。間違っていることを間違っていると伝える声を途絶えさせたくない。叫び続けたい。負けたくない」「たくさんの若い人が集まっていてすごく楽しかった。デモで歩いているとき何百キロでも歩ける気がした」などの感想が寄せられました。

来年の集会に向け、東京の草の根で敵基地攻撃能力保有・大軍拡に反対する青年のつながりを大きくし、世論を広げていきたいと思います。

 

2023年7月25日火曜日

 小池都政7年の検証


都政問題研究家
 末延渥史

 来年7月の都知事選まで1年、都政問題研究家の末延渥史さんに小池都政をリポートしていただきました。

小池都政が誕生して7年が経ちました。果たしてこの7年の間に、都民の暮らしは改善されたのでしょうか。東京のまちは住みやすく、地球に優しい都市に変わったのでしょうか。都政が「都民の声が届く」身近な自治体に生まれ変わったのでしょうか。

 その答えはいずれもNO!です。

 公約は守られたか 

 2016年都知事選挙は舛添要一都知事の都政私物化、黒塗り情報開示、肥大化するオリンピックと築地市場移転、保育所待機児解消などがおおきな争点としてたたかわれました。

 立候補当時、自民党の現職国会議員であった小池百合子候補は、自民党推薦で選挙をたたかうことを試み、自民党本部に推薦を要請しましたが、都議会自民党・自民党都連の支持が得られず、一転、自民党籍のまま無所属・支持政党なしでの立候補となりました。

 既存団体(自民・公明、各種団体協議会など=筆者注)などの支持をとりつけられないため、都民を味方につけていくしかなかった。しかし、これこそ小池知事が圧倒的な支持を得る最大の要因となった。(読チャンネル・中村健)

 小池都知事は選挙戦にあたって「都民が決める。都民が進める」のキャッチコピーをかかげ、都議会自民党を仮想敵にしたてて選挙戦を展開。自身をあたかも都民の代表、自民党支配の告発者、対決者として都民の前に描き出すことに成功しました。

 さらに小池都知事は当選後の初登庁での記者会見で、選挙で掲げた政策や公約が「選挙のための言葉ではない。都民のみなさん方も参加していただき進めたい」と抱負を述べたのでした。

 しかし、小池都知事が公約、都民との約束を守ることはなく、都民の願い、期待は裏切られることになりました。

 まず、小池都知事が最初におこなったことは大阪維新の会政策特別顧問であった上山信一を東京都顧問・特別顧問に迎え、さらに、鳴り物入りで立ち上げた「東京都政改革本部」には上山顧問をはじめ5人もの外資系大手コンサルタントの出身者をすえるなど、その後の「東京大改造」のための布陣を敷くことでした。また、「側近政治」をもっぱらとして、都民の参加、都民との対話・共同を拒みつづけたその姿勢は「都民が決める。都民が進める」の公約とは真逆のものです。

 また、公約として「東京オリンピックの施設計画の見直し」「築地市場の豊洲移転の一時凍結」「情報の全面開示」を都民に約束することで急速に支持をひろげました。

 しかし、小池知事はこれらの公約について、翌年の東京都議会選挙で自身が立ち上げた都民ファーストの会が勝利すると一転させ公約を反故にしてしまったのです。

 東京オリンピックについては「都民のための都政を取り戻すため、五輪の予算負担は試金石になる」と公言。「いったん立ち止まって考える」と公約したにもかかわらず、就任後、会場視察などのパフォーマンスを演じたものの、最終的には国や組織委員会(森喜朗会長)のいいなりに舛添前都知事が提案した範囲の見直しに逆戻りさせてしまいました。

 都民の台所・築地中央卸売市場の豊洲移転問題は、食品市場として不適格な土壌汚染と液状化、建設費の膨張と大手ゼネコンによる談合などに対する幅広い都民、市場関係者、飲食業者などの批判と告発が巻きおこりました。これに対して小池都知事はこれも「いったん立ち止まって考える」といい「(豊洲)は物流拠点にする。(築地)は食のテーマパークを備えた市場にする」として「築地を守る」ことを都民に約束したのです。しかし、小池都知事は東京オリンピックを優先。都民との約束を反故にして豊洲移転を強行。さらに、超高層ビルによる大規模再開発を促進しています。

 もう一つ選挙で問われたのが「黒塗り」、「のり弁」と言われた行政情報の実質非開示の問題で、都民の知る権利の侵害が都民的な怒りを巻き起こしました。小池都知事はこれに対して「都政の透明化」を公約。情報公開は都政改革の「1丁目1番地」とまでいい都民の支持をあつめたのです。ところが、就任後、築地市場豊洲移転やオリンピック経費の膨張、オリンピック選手村用地の市価の10分の1での投げ売りなど、都民の批判にさらされるとこれまた一転して、全面開示を拒み、選手村資料の開示請求に対して資料の全面を黒塗りにした「のり弁」の開示をおこなったのです。これは明らかに都民に対する裏切りであり、挑戦に他なりません。

 また、小池都知事は公約の「7つの0(ゼロ)」の実現のトップに「待機児ゼロ」をあげましたが、実際に小池都知事がやったことは、都民が切実に求め、待機児解消の鍵をにぎる公立保育園、認可保育所の増設ではなく、石原知事が都政に持ち込んだ園庭がなく劣悪な環境、保育の質が保障されず高い料金の認証保育所を中心にした待機児対策と財界や国が求める規制緩和を促進することでした。

 このため待機児は1万3696人(2022年度・公立・認可保育所を希望しながら入所できない児童)に達しています。小池都知事は待機児を「解消」したと豪語しましたが、これは公立・認可保育所を増やして実現したものではなく、国の基準改悪で認証保育所を入所対象施設に加えることで可能となった水増し数字に他なりません。 

都民置き去り 

 いま都民は、長期にわたる経済の低迷、安倍・菅・岸田政権による大増税、社会保障制度の連続改悪、雇用破壊のもとで生活の困窮の度を深めています。

 こうした時に、東京都に求められるのは、憲法の生存権=「健康で文化的な最低限度の生活」の保障であり、地方自治法が求める「住民の福祉の増進」に全力をつくすこと、歴代自民党政権の悪政から都民を守る防波堤の役割をはたすことです。

 その点で東京都の財政は、オーストリアの国家財政に並ぶ規模で、今年度予算(全会計)は過去最高額の16兆1000億円を記録しました。

 にもかかわらず小池都知事は、この豊かな財政を都民のために使おうとはせず、公的責任を放棄し、財界言いなりに新自由主義にもとづく「自己責任」の徹底を都民に押しつけ、都民サービスを切りすててはばからないのです。

 その一方で、小池知事は1月の知事査定で、4月に控えていた統一地方選挙での都民ファースト浮上を意図した「018作戦(0~18歳までの子どもに一律5000円を支給)」を突然、予算化しました。また、これに不満をいだいた与党自民党・公明党による私学助成の増額要求ものみ込むなど話題となりましたが、こうしたパフォーマンスによる施策を除いては、国の施策の範囲内での予算付けに止まっているのです。

 例えば、新型コロナ対策では国の予算の枠内での対策など成りゆき任せの対策に終始し、全面的PCR検査の実施や業者への営業補償、多摩地域の保健所の増設などの切実な都民の要求には背を向けつづけるとともに都立病院の独法化を強行したのです。

 東京における格差と貧困は子育て世代に止まらず子どもから高齢者まで全年齢階層で拡大しています。全階層とりわけ高齢者への支援が緊急の課題となっているにもかかわらず、介護負担の軽減を拒み。過去最高の国民健康保険料(税)の引き上げを強行。27年間1円も引き上げられていない障害者福祉手当も据え置かれたままです。さらに都民の切実な要求となっている物価高騰対策、全学年での少人数学級の実現、介護基盤整備、都営住宅の新規建設、学校教員の増員、中小業者緊急支援、公共料金の引き下げなどについて耳を貸そうともしないことは許されません。

 財界戦略…「稼げる都市」

  小池都知事は都民に困窮を押しつける一方、石原都知事が都政に持ち込んだ多国籍企業のための都市再生=東京大改造路線を継承。「世界で一番ビジネスのしやすい都市」「稼げる都市」を標榜し、官邸と共同で都庁のなかに国家戦略特区の「共同事務局」を開設。再開発のための国家戦略特区を43カ所も指定。ポストオリンピックとして「国際金融都市構想」にもとづく、高さ390m、敷地面積3・1ha、総床面積68万ヘクタールもの常盤橋街区再開発事業をはじめ明治神宮外苑再開発などな超高層ビルによる同時多発的な再開発を推進しています。

 こうした「東京大改造」の結果、石原都政以降の2000年からの21年間に23区で建設された高さ100m以上の超高層ビルは369棟に及びその延べ床面積は千代田区と港区の行政面積を超える34・8haにも達しているのです。そしてこの超高層ビル群によって排出される事業系二酸化炭素が地球規模での温暖化、異常気象の大きな要因となっているのです。実際に超高層ビル一棟からは、日比谷公園数カ所分の樹木による吸収が必要となる二酸化炭素が排出されているのです。

 都民サービスを切り捨てて浮かした財源を開発につぎ込む逆立ち政治を終わらせ、都市の成長を管理する政策に転換することが不可欠です。

 安倍・管・岸田政権による「戦争をする国づくり」のもとで、東京都がこれに厳しく抗議し、東京の平和を守るために役割を果たすことが強く求められています。しかし、小池都知事はこの歴代政権の暴走にストップをかけるどころか、これを容認。非核都市宣言も拒否しています。バリバリの改憲論者であり、「核武装」を主張する人物を首都の知事に止めさせておくことは認められません。

 都知事選挙が1年後に迫りました。市民と野党の共闘の力で都政を都民の手にとりもどそうではありませんか。

     

2022年2月15日火曜日

2月12日 東久留米戦争はいや!声をあげよう実行委員会主催講演会

 東久留米 戦争はいや!実行委主催 講演会67

改憲の動きが加速 どう止めるか!

212日、東久留米の戦争はいや!声をあげよう実行委員会は高田健さんをお迎えして講演会。改憲の動きが加速 どう止めるか!のテーマで開催され67人が参加。高田さんは、総選挙の結果、衆議院憲法審査会は50人の定数の内、立憲野党は11人になった。大変厳しい事態である。自民党は参院選で改憲勢力を3分の2以上にして、以後国政選挙のない3年間(黄金の3年間)で確実に改憲を実現したいと狙っている。わたしたちは改憲反対全国署名や憲法審査会傍聴、そして市民と野党の共闘を引き続き発展させ憲法改悪を何としても止めていきましょう、と訴えました。

戦争はいや!声をあげよう実行委員会は、憲法東京共同センターの4月~5月憲法月間の取り組みを紹介し、駅頭署名や市民パレードなどを成功させ憲法改悪反対の厶ードを市内から盛り上げて行こうと提起しました。

参加者の感想 

〇予想以上の参加者でした。改憲の危険を感じて何かしなければならないという気持ちをみんなで共有できよかったです。

〇新自由主義の中で育った若い世代へのアプローチとして、我々が古い考え方を変える必要があるのでは?というお話が参考になった。自民党ポスターで「保守」うんぬんの文字があったが、若い人たちが今の生活が変わることを望んでいないことを受けて、キャッチコピーにしたのか?と思いました。

〇岸田首相の考え方が良くわかりました。

 高田健さんの講演(動画)        

       

           

           

           
             

           
           



            


2021年9月11日土曜日

9月11日東久留米市民連合高田健氏講演

市民連合呼びかけ人・総がかり行動実行委員会共同代表

高田健さんが講演

 安倍・菅9年の自公政権に代わる新しい政治の展望

 9月11日、東久留米市民連合は「市民と野党の共闘で政治を変えよう」と高田健さんをお呼びし、講演会。講演後、市民連合と宮本徹衆議院議員との政策協定調印。

以下高田講演を三つに分けて動画をアップ。 

              高田講演1

高田講演2
高田講演3

東久留米市民連合と宮本徹衆議院議員との
政策協定調印後の宮本徹氏の決意表明







2021年3月21日日曜日

3月20日前川喜平さん(元文部科学事務官)講演

 前川喜平さん記念講演(3/20東久留米革新懇総会) 

「憲法・教育・政治 日本の未来を語る」

 森友学園問題から話しはじめ、文書の改ざんは佐川氏が命令してやったのは明らかになっているが、その命令はだれが支持したのか。その命令の前に菅さんたちが4~5人で相談していたことは明らかとなっている。しかし、まだわかっていないことが多い。加計学園問題はほとんど明らかになっている。安倍前首相が介入していることは明らかである。「さくらを見る会」の前夜祭は、公職選挙法違反になると思うが、検察が忖度した。また、文科事務次官の後任人事についても菅政権肝いりの人事となり2回も定年延長となっている、人事を通じて官僚支配をしている、女性裁判官による2つのいい判決が出たなど、話しました。最後に、2006年教育基本法第14条にある「政治的教養」の問題をとりあげ、「独立して考える自由な精神をもった国民・主権者を育てることが大事」と述べました。