2018年7月24日火曜日

新都心飛行ルート問題
道理のない危険な計画中止求め10万人署名へー 「東京連絡会」が呼びかけ 
羽田増便による都心低空飛行計画に反対する東京連絡会共同代表 
               松橋隆司 
国土交通省は、2020年までに、羽田空港の国際線を増便するため、新たらしく都心低空飛行コースを計画しています。これは、環境と安全を考慮して「海から入り海へ出る」というこれまでの現行飛行コースを180度転換する計画です。新コース下の東京各区やさいたま市、川崎市で、計画中止や撤回を求める市民団体が次つぎ結成され、運動が首都圏全体に広がっています。   
海上を最大限利用する現在の飛行コースは、約40年前、大田や品川、江戸川各区で、飛行騒音や事故の不安に悩まされた住民が立ち上がり、自治体を動かし、国に約束させたことによるものです。川崎市でもコンビナート上空を飛ばさないことを原則とする約束の文書が交わされています。
国交省は、訪日観光客を2020年に4000万人の目標を掲げ、羽田空港では20年までに年4万回の増便を計画。そのためには現行の「海上利用は、技術的限界がある」と、都心ルートを計画。自治体・住民との約束をことごとく反故(ほご)にし、危険な計画を実行する構えです。
「訪日観光客の増加のためというなら、地方空港の活用をもっと考えるべきだ。98もある空港の多くは赤字で、経営改善にも役立つ」「関西国際空港や中部国際空港は羽田の増便数を受け入れるだけの余裕もある」などと、住民は反論してきました。
計画によると、新都心コーは、南風時の午後3時から7時まで、羽田へ向かう着陸機が埼玉、板橋、豊島から品川方面へ、1時間当たり44便が、1~2分の間隔で飛来します。大井町駅上空では、東京タワーより低い300㍍、地下鉄車内並みの80デシベルの騒音になります。
北風時は、毎日8時間半にわたり、離陸機が2~3分に1機の割合で荒川沿いの江東区や江戸川区上空へ1000㍍前後で飛来します。現行では陸域を飛ぶときは、1800㍍以上とする原則も破られることになります。
問題は、騒音だけではありません。国交省に報告のあった機体の部品脱落件数は、昨年11月からの半年間で実に219件に上ります。今年5月には熊本空港を離陸した日航機のエンジンが損傷、金属片多数が落下し、病院の窓ガラスや、車のフロントガラスなど約10件に被害を与えました。これが、住宅密集地で起きたら「人の命にかかわり、ぞっとする」と新都心コースへの不安が広がっています。
各市区の市民団体は現在、連携組織「東京連絡会」の呼びかけで、計画中止を求める石井啓一国交相あての10万人署名に首都圏全体で取り組んでいます。

0 件のコメント:

コメントを投稿