2014年5月1日木曜日

ユニークなとりくみ 憲法を身近に

憲法に関心ない人に情報発信
明日の自由を守る若手弁護士の会
事務局長 
早田由布子さん

自民党改憲草案への危機感が発足の契機
20124月に自民党が改憲草案を発表、9条が変えられるどころか、立憲主義が破壊され、近代国家でなくなる、あまりにもひどいとの弁護士の間での受けとめだった。
その自民党が12年の総選挙で圧勝、改憲が次の課題になることは必至との危機感のもとで、どう取り組むかとの問題意識が「明日の自由を守る若手弁護士の会(略称:あすわか)」のきっかけだった。
市民の皆さんの憲法への関心は低く、ごく一部の護憲派とごく一部の改憲派が争っている状態だ。改憲を議論する土壌が出来てなく、憲法が何かも認識が薄い。それでは改憲は止められない。結成した「あすわか」は、憲法に関心を持ってこなかった人達に、憲法を変える変えないは差し置いて、憲法に関する情報を発信していくということだ。「あすわか」は、立憲主義と民主義を擁護することを明確にしているが、護憲団体ではなく、改憲派の人も加わっている。 
憲法に関する様々な情報発信
いままでとは違う発信をめざしている。133月にリーフを作成したが、自民党改憲草案への批判が行間にあるが、批判はせず呼びかけで終わっている。情報を提供し関心を持ってくださいということだ。
また、9条に限定せず、24条のジェンダーのかかわりなど、いろいろ情報提供している。昨年10月の大阪のつどいは、同性愛弁護士、学者、主婦、若手弁護士など6人のパネリストで、安倍政権のもとでのジェンダー政策は何が問題かを議論した。 
内部はメーリングリスト、外部はフェイスブック等で発信
28人の呼びかけで「あすわか」が発足し、現在317人。会員は、最初は一斉にFAXを送り、あとはつながりで拡大している。内部はメーリングリストで意見交換、外向けには、ホームページ、フェイスブック、ツイッターで情報発信している。提供する記事へのアクセスは1万単位だが、秘密保護法案の衆院委員会通過後の「まだ阻止できます」の記事はシェアされ20万のアクセスがあった。「委員会採決でもうだめだと思っていた」と言う人が多かった。政治状況に不満を持っているが何をしたらよいか分からない人が多く、具体的行動提起することの重要性を感じた。 
解釈改憲は明確に批判
「あすわか」は、解釈改憲に対しては立憲主義を踏みにじるものとして反対を明確にし、変えるのであれば明文改憲でやるべきだと主張している。国のあり方の根本を変えるものであり、国民的議論と国民自身が決めることが必要だ。 
危険な限定容認論
いま、一番危険なのは集団的自衛権行使の限定容認論だ。砂川判決が集団的自衛権を含んでいるのか、専門家である弁護士として情報発信しなければならない。ツイッターでやっているとともに、集団的自衛権に関するリーフを2月に作成した。増刷を重ね、15万印刷し、普及は10万を超えた。限定容認と言っても、日本が攻められていないのに武力行使することだ。世論調査の「限定容認」支持44%は衝撃的数字だ。「限定容認」は単なる言葉遊びだ。 
お好み焼きと憲法の勉強会など
憲法に興味の無い人にどうやって行動に来ていただくか。興味を持ち始めた人々への働きかけが重要だ。お好み焼きと憲法を勉強する取り組みが、東京、神奈川で4050回行われている。リーフを美容院、病院、飲食店、カフェ、レストランに置いてもらう取り組みも進めている。35万人が購読している子育て女性向けの「VERY」にも載せてもらった。好きなタレントが憲法を語れば影響も大きいので、これはと思うタレント事務所に要請文を送っている。 
解釈改憲と通れば立憲秩序の崩壊
安保法制懇座長代理の北岡氏が憲法は最高法規ではないと語っているが、反知性主義に貫かれ、立法秩序が崩壊する。9条は、国会で一番議論が積み重ねられてきたものだ。9条が内閣の解釈で変えられてしまえば、他の項目も何でもありになってしまう。立憲主義への明確な挑戦であり、許すわけにはいかない。

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