想像以上に深刻な
生活と健康の実態
東京都生活と健康を守る会連合会
副会長 秦 一也
「事故住宅」にも申し込みが殺到
餓死や孤立死が北海道、埼玉、そして東京では立川など全国で頻発しています。しかし、これが新聞やテレビにでるのはまさに「氷山の一角」です。
都営住宅の空き家募集に「事故住宅」と呼ぶのがあります。年3回行われ、この募集は「病死等で発見が遅れた住宅」及び「自殺等があった住宅」の募集です。病死翌日発見、不詳の死約4日後発見、飛び降り自殺、縊死翌日発見と記載されています。この1年で約3百戸の募集が行われましたが数十倍で申し込みが殺到しなかなか当たりません。都営住宅の新規建設はゼロが続き、低所得者の住める安心安全な住宅は見通しすらありません。
想像以上に深刻
都生連へも切羽詰った相談が後を絶ちません。ある県の民商の人から電話で、東京にいる会員の息子(54歳)の様子を見てきて欲しいと。アパートを訪ねると、会社が倒産して職がない、国保料滞納で医者に行けない、先日も目が覚めたら病院のベッドにいた。お金がないので医者の止めるのを振りきって飛び出した。もうやけくそだよと、肝硬変に腎臓も悪いというのに、酒をあおりながら話をしている。今後の約束をするだけがやっとでした。
低所得者、貧困者の実態は想像以上に深刻です。ところが、「生活保護バッシング」キャンペーンが行われ、生活保護の受給を困難にする状況がつくられています。
意図的な生活保護バッシング
足立区の生活保護の受給について、次のような記事が載りました。
【足立区の直近の生活保護費は420億円で、区民税収入の374億円を越している。受給者は約2万6000人で都内23区では最も多い。その背景には、保護内容の手厚さがある。都内に住む30代の単身男性の場合、生活扶助8万3700円と住宅扶助5万3700円で合計13万7400円を毎月受け取れる。さら医療費は無料、水道料金の減免という優遇措置もある。同じ額を稼ぐためには都内の最低賃金並みの時給850円で1日8時問、20日間働かなければならず、しかも税金や公的保険料を引かれる。これでは生活保護が減るはずもない】
この記事には、重大なウソと作為があります。①生活保護の3/4は国から出ており、区で負担しているのはl/8です。収入は区民税だけ、支出は国のも含めた数字を作為的に並べ、恐怖をあおっています。②失業や健康状態などを具体的に検証せず、働くことより生活保護の方がいいと強弁し、不正受給が横行しているような印象を与えています。③不正受給は許せません。しかしその割合は0.4%です。しかも統計の中身には子どものアルバイト料金が多く入っているなど、意図的に高く見せようとしています。(子どもたちにキチンと教えていません)
餓死や孤立死が
後を絶たないのはなぜ?
諸外国との比較では、日本の生活保護受給率や補足率も非常に低いのです。
いま、心配すべきことは、不正受給より、生活保護を受けなければ、人間らしい生活や生きていけない人たちが、生活保護受給者の数倍も存在し、この「漏給」によって餓死や孤立死があとを立たない状況にあることです。
原因は、貧富の格差を広げ貧困を「自己責任」とする考えがつくられ、弱肉強食の「無縁社会」がつくられているからです。
貧困をなくし
住みよい東京。日本を!
貧困や弧立化は他人事ではありません。苦しみや困難を抱えた多数の人たちが団結する必要があります。
東京都生活と健康を守る会連合会はその規約第1条に「この会は、低所得者を中心とする地域住民の生活と健康、権利の保障を、国や地方自治体、大企業にむけて要求し、実現することを目的とします。」と独特の規定を持って活動しています。
みなさんといっしょに生活保護や年金、最低賃金などの社会保障と賃金を大幅に改善し、貧困をなくし餓死や孤立死などのない、住みよい東京・日本をめざしています。
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